(賤の女に襲い掛かるタライ)
(串刺しになった童子の首)
※この挿絵には串が描かれていない。
新日本古典籍総合データベース
※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0)
※画像は拡大できます。
【原文】
十七日昼頃、平太郎が家に前方より立ち入りし賤《しづ》の女《め》有り。
今日《けふ》訪《と》ひ来たりしに、互ひに物語せし処《ところ》に、何処《いづく》とも無く盥《たらひ》転び出で、彼《か》の女を追う程に、門の外迄出せしに、女ハ平太郎が投げ打ちせしと思ひし由《よし》にて、急ぎ帰りけると也。
此の夜ハ眼《め》丸《まろ》き童《わらべ》なる首、十一弐ばかり串刺しにて、田楽《でんがく》の如く成るが、串を足として飛び〻出でツヽ彼方此方《あちこち》と廻りけると也。
疎《うと》ましき様《さま》なりとぞ。
【現代語訳】
七月十七日の昼ごろ、この日は平太郎の家に前から出入りしている賤《しず》の女《め》[身分が低い女性]がやってきました。
二人で話をしていると、どこからともなくタライが転がり出て来て、その女を追いかけて、門の外まで追い出してしまいました。
女は平太郎がタライを投げつけたと思って、急いで帰ったということです。
この日の夜は、田楽のように串刺しになった、丸い目の童子の首が十一二ぐらい、串を足のようにして飛び出しながら、あちこちをグルグル回ったということです。
うっとうしいったらありゃしない。
【解説】
武士である平太郎ですが、身分の低い女性とも普通に会話しています。
この時代、厳しい身分制度があったはずなのですが、思いのほか、あからさまな差別はなかったのかもしれませんね。
それにしても、化け物のせいで、タライを投げつける乱暴者にされてしまった平太郎、とんだ濡れ衣を着せられて、たまったもんじゃないですね。
串刺し童子の首に平太郎がどう反応したか、もはや書かれていません。
言うまでもなくスルーしたんでしょうなヾ(๑╹◡╹)ノ"
僕はよく頭にタライを落とされるよヾ(๑╹◡╹)ノ"
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