みなさま、コメントありがとうございましたヾ(๑╹◡╹)ノ"
「定番の昔話が江戸時代にはどう書かれていたか?」シリーズヾ(๑╹◡╹)ノ"
今回は、「ウサギとカメ」です。
「ウサギとカメ」は日本昔話のような扱いを受けていますが、『イソップ物語』のお話なんですよね。
とはいえ、『イソップ物語』は、安土桃山時代にはすでに日本に伝わり、翻訳されて出版されています(天草版『伊曽保物語《いそほものがたり》』)。
江戸時代に入っても『イソップ物語』の翻訳が出版されますが(仮名草子版『伊曽保物語』)、実は、天草版・仮名草子版、どちらの『伊曽保物語』にも「ウサギとカメ」のお話は収録されていないんですヾ(๑╹◡╹)ノ"
つまり、江戸時代の人は「ウサギとカメ」のお話を知らなかったことになります。
というわけで、「定番の昔話が江戸時代にはどう書かれていたか?」シリーズの範囲外なのですが、せっかくなんで、明治時代になって、日本で初めて翻訳された「ウサギとカメ」のお話を読んでみましょうヾ(๑╹◡╹)ノ"
明治時代でもまだくずし字はバリバリ使われていますヾ(๑╹◡╹)ノ"
渡部温訳『通俗伊蘇普物語《つうぞくいそつぷものがたり》』巻1 明治8[1875]年刊
通俗伊蘇普物語. 巻之1 - 国立国会図書館デジタルコレクション
【原文】
第二十七 兎《うさぎ》と亀《かめ》の話(38)
兎《うさぎ》、亀《かめ》の行歩《あるきかた》の遅《おそ》きを笑ひ、愚弄《ばか》にして、
「コウ、こゝへ来《き》や。競走《かけつこ》をしやう。乃公《おれさま》の足は何《なに》で出来《でき》てると思ふゾ」
と威張《いば》れば、亀は迷惑《めいはく》には思へども、一ッ處《ところ》へ押し並び、「サア」と云はれて、寸分《ちつと》も猶豫《ゆうよ》せず、例の通り遅〻《のそり/\》と歩き出《いだ》す。
されど兎は、固《もと》亀を侮《あなど》つて居《を》る事なれば、一向《いつかう》に遽《せ》きもせず、
兎「吾《おれ》は、マア、一睡《ひとねいり》して往《い》くから、急《いそ》いで往《やん》なせへ。直《ぢき》に追《お》ひ越《こ》すよ」
と云つて、微睡《とろり》とする内に、亀の影《かげ》が見《み》えなくなつた故、兎、肝《きも》を消《つぶ》し、急《きう》に躍《は》ね出《だ》して、約束《やくそく》の所へ至《い》つて見れば、亀ハ先刻《せんこく》到着《とうちやく》して、欠伸《あくび》をして居たりけると。
遅緩《ゆるやか》なりとも、弛《たゆ》まざる者は、急《きう》にして怠《おこた》る者に勝《か》つ。
【現代語訳】
第二十七 ウサギとカメの話
ウサギは、カメが歩くのが遅いのを笑ってバカにし、
「これこれ、カメよ、ここに来なさい。駆けっこをしよう。
足が早い俺様の足は、何で出来ていると思う?」
と威張りました。
カメは迷惑に思いましたが、一緒の所に並んで、「サア!」と言われたので、少しもためらわず、いつもの通りノソノソと歩き出しました。
しかし、ウサギはもともとカメをバカにしていたので、少しも急ぎもせず、
「俺は、まあ、一眠りしてから行くから、お前は急いで行きなさい。すぐに追い越すから」
と言って、うとうと寝入りました。
その内に、カメの姿が見えなくなったので、ウサギはビックリして、急いで跳ね起きて駆け出し、約束したゴールの場所に行ってみると、カメはすでに到着して、アクビをしていたということです。
遅くても怠《なま》けない者は、早くても怠ける者に勝つのです。
はい、特に我々の知っている「ウサギとカメ」と変わらないですねヾ(๑╹◡╹)ノ"
以上!(笑)ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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