『伽婢子《おとぎぼうこ》』[浅井了意作、寛文六(一六六六)年刊]巻三の三「牡丹灯籠」
※国文学研究資料館所蔵 (CC BY-SA)
新日本古典籍総合データベース
【原文】
壁《かべ》の隙間《すきま》より覗《のぞ》きて見れば、一具《いちぐ》の白骨《はつこつ》と荻原と、灯火《ともしび》の下《もと》に差し向かひて座したり。
荻原物言へば、彼の白骨《はつこつ》、手足動き、髑髏《しやれかうべ》頷《うなづ》きて、口と思しき所より、聲響き出て、物語りす。
翁大いに驚きて、夜の明くるを待ち兼ねて、荻原を呼び寄せ、
「此の程、夜毎に客人《きやくじん》有りと聞こゆ、誰人《たれびと》ぞ」
と言ふに、更に隠して語らず。
翁の言ふ様《やう》、
「荻原ハ必ず禍《わざハひ》有るべし。
何をか包むべき。
今夜、壁より覗き見けれバ、かう/\侍り。
凡《をよ》そ人として命 生《い》きたる間ハ、陽分《やうぶん》至りて、盛《さか》りに清《くよ》く、死《し》して幽灵《ゆふれい》となれバ、陰氣《いんき》激しく、邪《よこし》まに穢《けが》るゝ也。
此の故に、死《し》すれば忌《い》み深し。
【現代語訳】
お爺さんが、壁の隙間から覗いてみると、一体の白骨と荻原が、灯火の下で向かい合って座っていました。
荻原が話すと、その白骨の手足が動き、頭蓋骨は頷《うなず》いて、口と思われる所から声が響き出て、言葉を発しました。
お爺さんはたいそう驚いて、夜が明けるのを今か今かと待って、荻原を呼び寄せました。
「最近、毎夜、荻原殿の家に客人が来ているようじゃが、どなたですかな?」
とお爺さんが言うと、荻原は、客人が誰か、完全に隠して言いませんでした。
お爺さんは、
「荻原殿には必ず不幸なことが起きるじゃろう。
隠しても無駄ですぞ。
昨夜、壁から荻原殿の家を覗いてみたら、カクカクシカジカじゃった。
そもそも、人として命があって生きている間は、陽気[良い精気]が満ちて、身も心も充実して清らかじゃ。
しかし、死んで幽霊になると、陰気[悪い精気]に激しく覆われてしまい、身も心も邪悪に穢《けが》れてしまう。
だから、死ぬと忌《い》み嫌われる。
【解説】
隣のお爺さんが覗くと、荻原さんは白骨と楽しそうに話してるというヾ(๑╹◡╹)ノ"
荻原さんには白骨が美女に見えているようでヾ(๑╹◡╹)ノ"
驚いたお爺さんに呼び出され、衝撃の事実を聞いた荻原さんの反応はいかに?
挿絵は、白骨と語らう荻原さんと、壁の隙間から覗くお爺さんです
うわあ、三つ目が白骨と抱き合ってる!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
違う違う、メ〇カリで買った骨格標本が倒れてきたんで、支えてるだけだよ!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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