『伽婢子《おとぎぼうこ》』[浅井了意作、寛文六(一六六六)年刊]巻三の三「牡丹灯籠」
※国文学研究資料館所蔵 (CC BY-SA)
新日本古典籍総合データベース
【原文】
名乗るに付けてハ、恥づかしくも悲しくも侍る也」
語りける言葉優しく、物腰 清《さや》かに、愛敬《あいぎやう》有り。
既に横雲棚引きて、月、山の端《は》に傾《かたぶ》き、灯火《ともしび》白《しろ》う微《かす》かに残りければ、名残《なごり》尽きせず起き別れて帰りぬ。
其れよりして、日、暮《く》るれバ来たり、明け方にハ帰り、夜毎《よごと》に通ひ来る事、更に其の約束を違《たが》えず。
荻原《おひハら》ハ心惑ひて、何はの事も思ひ分けず、只、此の女の理無《わりな》く思ひ交して、
「契りハ千世《ちよ》も変ハらじ」
と通ひ来る嬉しさに、昼《ひる》と雖《いへど》も又、異人《ことひと》に逢ふ事無し。
廿日《はつか》余りに及びたり。
隣《となり》の家に良く物に心得たる翁《おきな》の住ミけるが、
「荻原が家に怪《け》しからず、若き女の声して、夜毎に哥歌ひ、笑ひ遊ぶ事の怪しさよ」
と思ひ、
【現代語訳】
このように名乗るのは、恥ずかしくもあり、悲しくもあります」
と語りました。
女の言葉は優しく、物腰は爽《さわ》やかで、愛嬌《あいきょう》がありました。
すでに明け方の東の空に、雲が横に長く漂《ただよ》い、月は山の端に沈みかけ、灯火《ともしび》は白くなって今にも消えそうなので、名残《なごり》惜しくはあるものの、起きて別れて女は帰って行きました。
それから日が暮れると、女は荻原の家にやってきて、明け方には帰るようになりました。
毎夜、全く約束を破ることなく、女は必ず通って来ました。
荻原は心が乱れて、どんなことも分別がつかなくなり、ただこの女の事をひたすら思い続けました。
「私たちの親密な関係は、千年先の世までも、ずっと変わらないでしょう」
と言って女が通ってくるのが嬉しすぎて、荻原はたとえ昼間であっても、女以外の誰にも会うことはありませんでした。
この状態が二十日あまり続きました。
荻原の隣の家に、物事を良く知るお爺さんが住んでいました。
お爺さんは、
「荻原殿の家から、謎の若い女の声がして、毎晩歌を歌い、笑って楽しんでいるようじゃが、これはどう考えてもおかしい」
と思いました。
【解説】
はい、美女は毎晩必ず、荻原さんの家に通ってくるようになりました。
完全に荻原さんは美女にメロメロですヾ(๑╹◡╹)ノ"
さすがに、隣のお爺さんは、荻原さん家の異変に気付いたようで、はてさて、どうなるのやら。
三つ目の部屋から、夜な夜な若い女の声がする!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
ごめん、美少女育成ゲームやってたヾ(๑╹◡╹)ノ"
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