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[2]茗荷宿 ~『聞上手二篇』より~

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 はい、前回のクイズの答えですヾ(๑╹◡╹)ノ"

みなさん、もちろん、読めましたよね?ヾ(๑╹◡╹)ノ"ヾ(๑╹◡╹)ノ"ヾ(๑╹◡╹)ノ"



小松百亀(不知足散人)『聞上手二篇』(安永2[1773]年刊)
詳細 :東京都立図書館デジタルアーカイブ TOKYOアーカイブ

【原文】

〇 茗荷《めうが》

 旅籠屋《はたごや》の女房、亭主に向《むか》ひ、
「今夜 泊《とま》った旅人《たびうど》の梱《こり》ハ、余程《よほど》の物と見へます。
 どふぞ忘れて置《を》ケバ良い」
 と言へバ、亭主、
「ヲヽ、良い工面《くめん》が有ル。
 何でも無性《むセふ》に茗荷《めうが》を食わせて見よふ」
 と汁《しる》も菜《さい》も皆《ミな》、茗荷《めうが》沢山《だくさん》に入レて振る廻《ま》いける。
 翌朝《よくてう》、旅人《たびうど》ハ立つて行《い》く。
「大方《おふかた》、落として行つたろう」
 と、跡《あと》を見れども、何も無し。
「扨《さて》/\、茗荷《めうが》も効かなんだ」
 と言へバ、亭主、
「イヤ/\、効いた/\」
「ソリヤ、何を」
「ヲヽサ、旅籠を忘れて払わずに去《い》におつた」

【現代語訳】

〇 茗荷《みょうが》

 宿屋の女房が、亭主に向かって、
今夜泊まった旅人の荷物は、かなり価値がある物のようだ。
 どうにかして忘れていってしまえばよいのだが」
 と言うと、亭主は、
「おお、いい方法がある。
 むやみやたらに茗荷食わせてみよう」
 と、汁物にもおかずにもみんな、茗荷をたくさん入れてふるまいました。
 翌朝旅人旅立っていきました。
「おそらく、荷物を忘れて行っただろう」
 と、旅人が泊まった跡を見ましたが、何もありませんでした。
「なんとまあ、茗荷の効果なかった
 と、女房が言うと、亭主は、
「いやいや、効果あった
 と言いました。女房が、
「あら、何を忘れていったのかしら?」
 と聞くと、亭主は、
「おお、宿代忘れて払わずに行ってしまった」
 と答えましたとさ。

【解説】

 前回の『しみのすみか物語』ほぼ同内容ですが、注目すべきは、ミョウガを食べると物忘れをする」という説明がわざわざされていないという点です。
 この当時、すでに、ミョウガを食べると物忘れをする」という俗説浸透していたことが分かります。

 この手の小話発展して落語になったのでしょうが、ざっと調べたところ、少なくとも、明治三十九[一九〇六]年『滑稽玉手箱』三遊亭園喬明治四十一[一九〇八]年『笑(2-18)』柳家小さん演目として、「茗荷宿屋」のタイトルで掲載されています。

 さてさて、前置きはこのくらいにして、いよいよ本題(?)です。
 この茗荷宿のお話がアレンジされたエピソードが、弥次さん喜多さん道中記に出てくるので、次回から読んでいこうというわけです。
 弥次喜多と同じくらい当時人気があった、同じ十返舎一九『金草鞋』は何回も取り上げているのに、実はこのブログ弥次喜多初登場ですヾ(๑╹◡╹)ノ"
 マニアックな作品をやりすぎたせいか、最近は、読者登録者数も全く増えずアクセス数下がる一方なので、メジャー作品取り上げていかないといけないなあと思いましてな(笑)

 

 

 ごめん、ミョウガ食べたせいで、北見花芽家賃払う忘れてたよ  ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 うそつけ、最初から払う気なんかないくせに ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

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