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[3]茗荷宿 ~弥次喜多道中記より~

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 わあい、今日から東海道中膝栗毛読むんだよね、楽しみだなあヾ(๑╹◡╹)ノ"

 ん? 誰が東海道中膝栗毛読むって言った

 え? だって、弥次喜多の道中記読むって言ったじゃないか。

 弥次喜多の道中記って言ったら東海道中膝栗毛決まってるじゃない!

 確かに東海道中膝栗毛弥次喜多の道中記だけど、今回読むのは、東海道中膝栗毛続編『続膝栗毛』だよヾ(๑╹◡╹)ノ"



東海道中膝栗毛は主に東海道したんだけど、『続膝栗毛』では主に中山道(木曽街道)するんだ。

 ちなみに日光東照宮に向かう『続々膝栗毛』書かれたんだけど、途中作者十返舎一九亡くなって、続きを少し弟子書いたんだけど、結局、未完に終わってるよ。


 、、、珍しくメジャー作品をやるかと思ったのに、絶妙に外してくる所北見花芽らしいね。。。ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 というわけで、『続膝栗毛』における、茗荷宿がアレンジされたエピソードご覧くださいヾ(๑╹◡╹)ノ"


『木曽街道続膝栗毛三編下巻』(十返舎一九作、文化九[一八一二]年刊)
続膝栗毛 3編 木曽街道膝栗毛 下 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。

【原文】

岐蘇《きそ》街道 續膝栗毛《ぞくひざくりげ》三編下巻

 斯《か》くて、守山《もりやま》、武佐《むさ》を打ち過ぎて、相《あひ》の宿《しゆく》清水鼻《しみずがはな》と言ふ所に到りし頃、早や日暮《ひく》れて、行先《ゆくさき》覚束《おぼつか》
無く、殊《こと》に足も労《つか》れけれバ、
「相應《さうおう》の宿《やど》をも訪ねて、一夜《いちや》の夢《ゆめ》を結バん」
 と、爰彼処《こゝかしこ》を求め歩くに、草籠《くさかご》を脊負《せおひ》ひて戻る男、二人を見つけて、
「コリヤ、御前方《おまいがた》、泊まりじやないかい」
弥次「良《い》ゝ宿《やど》が有らバ泊まりてへ」

嚔《くつさめ》の谺《こだま》渡るや花卯樹《はなうつぎ》 浪華百堂
杜宇《ほとゝぎす》一滴水の音すなり 堂嶌浪甫
伏せ鑓《やり》の下行く木曽の杜宇《ほとゝぎす》 青梁

【現代語訳】

木曽街道 続膝栗毛三編下巻

 こうして、弥次郎兵衛北八[喜多八]は、守山宿武佐宿《むさしゆく》[いずれも中山道(木曽街道)の宿場]通り過ぎて、間《あい》の宿[宿場と宿場の間に設けられた旅人が休憩できる村]清水鼻《しみずはな》滋賀県という所に着きました。
 その頃には、もう日が暮れて、もよく見えなくなり、特に足が疲れたので、
「それなりの宿探して、一晩夢を見ながら寝よう
 と、あちらこちら、宿探し歩きました。
 すると、草籠背負って帰ろうとしているが、二人見つけて、
「コレ、お前さんがた泊まる所探しているのか」
 と声を掛けました。弥次は、
良い宿があったら泊まりたいのだが」
 と答えました。

◆花卯木《はなうつぎ》卯の花咲く山に、クシャミの声響き渡るよ 浪華百堂
ホトトギス鳴き声に合わせるように、一滴落ちる音がするよ 堂島浪甫
◆木曽街道木曽義仲をふまえるか]ホトトギスは、槍の下を避けるように飛んで行くよ 青梁
※「花卯木《はなうつぎ》」も「ホトトギス」も初夏の季語で、いずれの句も初夏の情景を詠んだものか。

【解説】

「きたはち」
漢字表記一般的には「喜多八」ですが、この場面原典では全て「北八」表記されているので、【現代語訳】でも「北八」表記します。


 清水鼻という現在の滋賀県にある間の宿にやってきた弥次さん喜多さん
 清水鼻名水有名場所ですが、この話では名水出てきませんヾ(๑╹◡╹)ノ"

 挿絵には弥次喜多姿描かれ、大坂の俳人と思われる人たちによる俳句書かれていますね。

 とにかく疲れたので、泊まる宿を探す弥次喜多に、通りすがりの男声を掛けますが、、、。
 次回に続く!

 

 

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