「青頭巾」[『雨月物語』より]の続きだよ!
北見花芽の中の人が、某出版社から出る某書の現代語訳の一部を担当してるらしくて、その締め切りが迫ってるみたいで、中々更新できないらしいよ!
※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています。
霞亭文庫書誌詳細
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【くずし字クイズの答え】
禿驢(とくろ)(くそぼうず)いづくに隠れけん。こゝもと
にこそありつれ
[くずし字クイズの補足説明]
【原文】
下らんも遥けし。只管(ひたすら)一宿[一夜](ひとよ)を貸し給へ」
主の僧言う。
「かく野らなる所は、良からぬ事もあなり。
強(し)ひて止め難し。
強(し)ひて行けとにもあらず。
僧の心に任せよ」
とて、復(ふたゝ)び物をも言はず。
こなたよりも一言(こと)を問はで、主の傍(かたはら)に座を占むる。
看(ミ)る/\日は入り果て、宵闇(よひやミ)の夜のいと暗きに、燈(ひ)を點[上](あ)げざれば、目の当たりさへ分かぬに、只、澗[谷](たに)水の音ぞ近く聞こゆ。
主の僧も又、眠蔵(めんざう)に入りて音なし。
夜更て月の夜に改まりぬ。
影、玲瓏(れいろう)として、至らぬ隈(くま)もなし。
子(ね)一つとも思ふ頃、主の僧、眠蔵を出て、慌たゞしく物を討[尋](たづ)ぬ。
尋ね得ずして大いに叫(さけ)び、
「禿驢(とくろ)(くそぼうず)何処(いづく)に隠れけん。
此処許(こゝもと)にこそ在りつれ」
と禅師が前を幾度(たび)走り過ぐれども、更に禅師を見る事なし。
堂の方に駈[駆](か)けり行くかと見れば、庭を
【さっくり現代語訳】
[快庵禅師のセリフの続き](日も傾いてしまったので、里に)下るもの大変です。
どうか、一晩、泊まらせてくださいませ。」
と言いました。住職は、
「こんな荒れ野原みたいな所にいると、ロクなことはありませんぞ。
無理に引き止めることはしませんが、無理に出て行けとも言いません。
あなたのお好きなようになされよ。」
と言って、それから二度と口を開きませんでした。
快庵禅師も一言も返事をしないで、住職の横に座りました。
みるみるうちに日は沈んで、月が出るまでの間、とても暗いのですが、灯火も点(つ)けないので、目の前でさえ真っ暗で何も見えません。
ただ、谷水の音が近くに流れているかのように聞こえるだけです。
そのうち、住職はまた寝所に入って、物音一つ立てません。
夜が更けて月が出ると、光が輝き、部屋の隅々まで照らします。
午前0時頃、住職は寝所から出てきて、慌ただしく何かを捜し始めました。
しかし、見つけることが出来ず、大きな声で、
「クソ坊主、どこに隠れやがった!ここら辺にいたはずなのに!」
と叫び、快庵禅師の前を何度も通り過ぎましたが、住職にはその姿が全く見えませんでした。
お堂の方へ駆けて行くかと思ったら、今度は庭を
【解説】
いよいよ快庵禅師と住職の激しいバトルが始まるかと思いきや、どうやら心理戦の様相を呈してまいりました。
「禿驢(とくろ)」というのは坊主をののしる言葉で、『水滸伝』とかに用例があるようです。
当時でも普及していなかった言葉なのか、わざわざ左に「くそぼうず」と意味が書いてあるのが可笑しいですね(笑)
目の前に快庵禅師がいるのに、快庵禅師を捜す住職。
これは一体、どういうことなのでしょうか???
次回予告とくずし字クイズ
何やら快庵禅師が住職に挑発的な言葉を投げかけているようですが???
かすれてる所と振り仮名のない漢字だけヒント出しておきます♪
三つ目コーナー
お盆だね。
お盆といえば龍角散だね。
龍角散はお盆じゃなくて、ゴホン!
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