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鼻長僧侶のお話 その3 ~『宇治拾遺物語』より~

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※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
和文教科書. 7之巻 宇治拾遺物語ぬきほ - 国立国会図書館デジタルコレクション

翻刻

さす。それに、心地悪くて、此法師、出ざりける折
りに、朝粥食はんとするに、鼻を持てあぐる人、な
かりければ、いかにせんなど、いふ程に、使ひける
童の、我れは、よくもてあげ参らせん、更に其御な
には、よもおとらじといふを、弟子法師聞きて、此
童の、斯くは、申すといへば、中大童子にて、みめも、
きたなげなくありければ、うへに召し上げて、有
りけるに、此童、鼻持てあげの木を取りて、うるは
しく向ひ居て、よきほどに、高からず低からず、持
たげて、粥をすゝらすれば、此内供、いみじき上手

にて有りけり。例の法師には、優りたりとて、粥を
すゝる程に、此童、鼻をひんとて、そばさまに向き
て、鼻をひる程に、手ふるひて、鼻持たげの木、ゆる
ぎて、鼻はづれて、粥の中へ、ふたりと、打ち入れつ。
内供が顔にも、童の顔にも、粥とばしりて、ひと物
かゝりぬ。内供、大きに腹立てゝ、頭顔に、かゝりた
る粥を、紙にてのごひつゝ、おのれは、まが/\しか
りける心、持ちたる者かな。心なしのかたゐとは、
おのれがやうなる物を、いふぞかし。我れならぬ、
やごつなき人の御鼻にもこそまゐれ。それには、

〈ひと物は、満面◆といふに同じ。
すべてひとと◆いふ語に、満の◆字の意あり。〉

【現代語表記】

さす。
 それに、心地悪くて、此の法師、出ざりける折《おり》に、朝粥《あさがゆ》食わんとするに、鼻を持て上ぐる人、無かりければ、「如何にせん」など、言う程に、使いける童の、「我《われ》は、よく持て上げ参らせん、更に其の御名には、よも劣ららじ」と言うを、弟子法師聞きて、「此の童の、斯《か》くは、申す」と言えば、中大童子《ちゅうだいどうじ》にて、見目も、汚げ無く有りければ、上に召し上げて、有りけるに、此の童、鼻持て上げの木を取りて、麗《うるわ》しく向い居て、良き程に、高からず低からず、持たげて、粥を啜《すす》らすれば、此の内供、「いみじき上手にて有りけり。例の法師にて、優りたり」とて、粥を啜《すす》る程に、此の童、鼻を放《ひ》んとて、側様《そばざま》に向きて、鼻を放《ひ》る程に、手震いて、鼻持たげの木、揺るぎて、鼻外れて、粥の中へ、フタリと、打ち入れつ。
 内供が顔にも、童の顔にも、粥|迸《とばし》りて、一物《ひともの》掛かりぬ。
 内供、大きに腹立てて、頭顔に、掛かかりたる粥を、紙にて拭《のご》いつつ、
「己《おのれ》は、禍々《まがまが》しかりける心、持ちたる者かな。
 心無しの乞児《かたい》とは、己《おのれ》が様《よう》なる物を、言うぞかし。
 我ならぬ、止事《やごつ》無き人の御鼻にもこそ参れ。それには、
※「一物《ひともの》」は、「満面」と言うに同じ。
 全て「一《ひと》」と言う語に、「満」の字の意有り。

【現代語訳】

 なので、この弟子の僧一人だけに、食事のたびに持ち上げさせました。
 ところが、ある日、この弟子の僧体調不良で、寝床から出ることができなくなりました。
 禅珍内供朝粥《あさがゆ》を食べようとしましたが、鼻を持ち上げる人がいないので、「どうすりゃいいんだろう」などと言って、みんな困ってしまいました、
 すると召し使いの童子が、
が上手く持ち上げて差し上げましょう。いつものお坊様に劣ることはありますまい」
 などと言うので、他の弟子の僧はこれを聞いて、
この童子カクカクシカジカと申しております」
 と内供に伝えました。
 この童子十四五歳男色の相手としてちょうど良い年頃で、見た目も悪くなかったので、内供食事をする上座雑用をさせていたのでした。
 内供が了承すると、この童子鼻持ち上げの木を手に取り、しっかりと内供正面に座り、高くも低くも無い良い感じ内供の鼻を持ち上げて、をすすらせました。
 内供は、
「とても上手いではないか。いつもの坊主より良いではないか」
 と上機嫌をすすりました。


 その時、この童子クシャミがしたくなり、横を向いてクシャミをしました。
 すると、童子の手が震え、鼻持ち上げの木が揺れてから外れ、内供の鼻粥の中ポチャンと落ちてしまいました。
 内供の顔にも、童子の顔にも、が飛び散って、いっぱいかかってしまいました。
 内供激おこぷんぷん丸で、にかかったで拭きながら、
てめえは、とんでもねえ薄汚れた心を持っただ!
 人の情けもへったくれも知らぬクソガキとは、てめえのようなを言うんだ!
 ワシではなく、高貴なお方お鼻であったとしたら、その時は、

【解説】

 ふむう、このお話を読んでいて思ったんですけど、このお話って本当は、性欲の強い和尚の事を言っているのではないかと。
 イチモツ象徴で、鼻が大きい人イチモツも大きいって言うじゃないですか。
 あ、イチモツと言う言葉は、テレビどぶろっくが歌いまくってるから、使っても大丈夫ですよね?
 本文中に「一物《ひともの》」という言葉を使用したのも何か意味深です。
 イチモツ置き換えてこのお話を読むと、おっと、もっとこの説について詳しく書きたいんですけど、あまり詳しく書くとバンされそうなのでこれくらいで自粛しますね。
 なにしろ、前に「ずいずいずっころばし」の記事で攻めすぎて、広告停止されたりして多大なる影響が出たので(笑)

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