うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

江戸文学の楽しさを皆さんにお伝えできれば♪

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。

鼻長僧侶のお話 その3 ~『宇治拾遺物語』より~

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。

f:id:KihiminHamame:20200305174320j:plain

f:id:KihiminHamame:20200305174327j:plain
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
和文教科書. 7之巻 宇治拾遺物語ぬきほ - 国立国会図書館デジタルコレクション

【原文】

さす。
 それに、心地悪くて、此の法師、出ざりける折《おり》に、朝粥《あさがゆ》食はんとするに、鼻を持て上ぐる人、無かりければ、「如何にせん」など、言ふ程に、使ひける童の、「我《われ》は、よく持て上げ参らせん、更に其の御名には、よも劣らじ」と言ふを、弟子法師聞きて、「此の童の、斯《か》くは、申す」と言へば、中大童子《ちうだいどうじ》にて、見目も、汚げ無く有りければ、上に召し上げて、有りけるに、此の童、鼻持て上げの木を取りて、麗《うるは》しく向ひ居て、良き程に、高からず低からず、持たげて、粥を啜《す》らすれば、此の内供、「いみじき上手にて有りけり。例の法師にて、優りたり」とて、粥を啜《すゝ》る程に、此の童、鼻を放《ひ》んとて、側様《そばざま》に向きて、鼻を放《ひ》る程に、手震いて、鼻持たげの木、揺るぎて、鼻外れて、粥の中へ、ふたりと、打ち入れつ。
 内供が顔にも、童の顔にも、粥 迸《とばし》りて、一物《ひともの》掛ゝりぬ。
 内供、大きに腹立てゝ、頭顔に、掛ゝりたる粥を、紙にて拭《のご》いつゝ、
「己《おのれ》は、禍々《まが/\》しかりける心、持ちたる者かな。
 心無しの乞児《かたゐ》とは、己《おのれ》が様《やう》なる物を、言ふぞかし。
 我ならぬ、止事《やごつ》無き人の御鼻にもこそ参れ。それには、

※「一物《ひともの》」は、「満面」と言ふに同じ。
 全て「一《ひと》」と言う語に、「満」の字の意有り。

【現代語訳】

 なので、この弟子の僧一人だけに、食事のたびに持ち上げさせました。
 ところが、ある日、この弟子の僧体調不良で、寝床から出ることができなくなりました。
 禅珍内供朝粥《あさがゆ》を食べようとしましたが、鼻を持ち上げる人がいないので、「どうすりゃいいんだろう」などと言って、みんな困ってしまいました、
 すると召し使いの童子が、
が上手く持ち上げて差し上げましょう。いつものお坊様に劣ることはありますまい」
 などと言うので、他の弟子の僧はこれを聞いて、
この童子カクカクシカジカと申しております」
 と内供に伝えました。
 この童子十四五歳男色の相手としてちょうど良い年頃で、見た目も悪くなかったので、内供食事をする上座雑用をさせていたのでした。
 内供が了承すると、この童子鼻持ち上げの木を手に取り、しっかりと内供正面に座り、高くも低くも無い良い感じ内供の鼻を持ち上げて、をすすらせました。
 内供は、
「とても上手いではないか。いつもの坊主より良いではないか」
 と上機嫌をすすりました。


 その時、この童子クシャミがしたくなり、横を向いてクシャミをしました。
 すると、童子の手が震え、鼻持ち上げの木が揺れてから外れ、内供の鼻粥の中ポチャンと落ちてしまいました。
 内供の顔にも、童子の顔にも、が飛び散って、いっぱいかかってしまいました。
 内供激おこぷんぷん丸で、にかかったで拭きながら、
てめえは、とんでもねえ薄汚れた心を持っただ!
 人の情けもへったくれも知らぬクソガキとは、てめえのようなを言うんだ!
 ワシではなく、高貴なお方お鼻であったとしたら、その時は、

【解説】

 ふむう、このお話を読んでいて思ったんですけど、このお話って本当は、性欲の強い和尚の事を言っているのではないかと。
 イチモツ象徴で、鼻が大きい人イチモツも大きいって言うじゃないですか。
 あ、イチモツと言う言葉は、テレビどぶろっくが歌いまくってるから、使っても大丈夫ですよね?
 本文中に「一物《ひともの》」という言葉を使用したのも何か意味深です。
 イチモツ置き換えてこのお話を読むと、おっと、もっとこの説について詳しく書きたいんですけど、あまり詳しく書くとバンされそうなのでこれくらいで自粛しますね。
 なにしろ、前に「ずいずいずっころばし」の記事で攻めすぎて、広告停止されたりして多大なる影響が出たので(笑)

三つ目コーナー

f:id:KihiminHamame:20200305174518g:plain

 

◆北見花芽のほしい物リストです♪ 
引き続き、しつこくバレンタインデー仕様でございますヾ(๑╹◡╹)ノ"
ご支援よろしくお願いします♪

f:id:KihiminHamame:20171119223122j:plain 

いただいた商品のレビューはこちら♪   

◆インフォメーション

井原西鶴の大著、『男色大鑑』一般向け現代語訳「歌舞伎若衆編」発売されました♪

北見花芽の中の人もちょっと書いてるので興味のある方も無い方も、下のアマゾンリンクから買ってくださると狂喜乱舞します♪
※ 書店で買っても、北見花芽の中の人には直接お金が入らないので何卒。

全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉

全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉

  • 作者: 染谷智幸,畑中千晶,河合眞澄,佐藤智子,杉本紀子,濵口順一,浜田泰彦,早川由美,松村美奈,あんどうれい,大竹直子,九州男児,こふで,紗久楽さわ
  • 出版社/メーカー: 文学通信
  • 発売日: 2019/10/21
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

「武士編」好評発売中です♪

全訳 男色大鑑〈武士編〉

全訳 男色大鑑〈武士編〉

 

『男色を描く』合わせてお読みいただけるとより楽しめると思いますよ♪
※ こちらも北見花芽の中の人がちょっと書いていますので。 

男色を描く: 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉

男色を描く: 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉

 

◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪

f:id:KihiminHamame:20171108164138j:plain

はてなIDをお持ちでない方も、拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
(コメントもできます)

web拍手 by FC2

◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪

にほんブログ村 歴史ブログ 江戸時代へ
にほんブログ村 


江戸時代ランキング

◆先日のYouTubeの件は、もう一つのブログの方にまとめておきました。

myougirl.hatenablog.com

◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします♪ バズりたいです!w