【前回のあらすじ】
一つ目小僧は越後の大入道に家督を譲られ、今入道と名乗って諸国化け修行に出ます。
一方、丹波のヒヒは見越入道を養子に迎え、今入道に一泡吹かせるように命じます。
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
大昔化物双紙 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション (6ページ目です)
※画像は拡大できます。
【原文】
ここに化けの里とて、数多《あまた》の化け物、現《うつゝ》を抜かす廓《くるハ》有り。
中にも長首屋《ながくびや》のお六《ろく》、大寒屋《おゝさむや》の雪の夜とて、その頃 名代《なだい》の全盛有りけり。
この廓の素見《すけん》、玉蜀黍《たうもろこし》の化け物、西瓜《すいくハ》の化け物、そゝり歌で出掛ける。
「とんだ美しいもんだ」
「エウ、たうもろや、これからちつと、もゝんぢい横丁を冷やかそふじやァねへか」
「おゝ、笑止《しやうし》」
「お六さん、あんまりお伸びなさへすな。人混みで簪《かんざし》が危なひぞへ」
【現代語訳】
ここに化けの里と言って、多くの化け物が夢中になる遊郭があります。
中でも、長首屋《ながくびや》のお六《ろく》、大寒屋《おおさむや》の雪の夜という遊女が評判で人気がありました。
この遊郭を見て回るだけの冷やかし客である、トウモロコシの化け物と、スイカの化け物がそそり歌[冷やかしながら歩く時に口ずさむ歌]を口ずさみながらやってきました。
トウモロコシの化け物「それにしても美しい女郎だ」
スイカの化け物「よう、トウモロコシや。これからちょっと、ももんじい横丁まで冷やかしに行こうじゃないか。」
お六・雪の夜「ああ、困ったお方たちだ」
提灯の化け物「お六さん、あんまり首を伸ばしなさるな。人ごみでかんざしが危のうございます」
【解説】
舞台は化けの里という遊郭に移ります。
「ももんじい」という化け物が人間を驚かす時の言葉[化け物そのものを意味する場合もある]を横丁の名前にしています。
ろくろ首を抱えている店の名が長首屋、雪女を抱えている店の名が大寒屋とシャレています。
やはり、ろくろ首がお六と呼ばれるのはこの時代の定番だったようで、もちろん、『化物夜更顔見世』のお六とは別人(別ろくろ首)です。
遊女たちの後ろにいる化け物は遊郭で言う禿《かむろ》[遊女お付きの幼女、「ハゲ」って読んじゃダメだよ]です。
トウモロコシの化け物のインパクトも強いですが、スイカの化け物が丸ごとじゃなくて切ってある状態と言うのが何ともシュールです。
それにしても、雪女の雪の夜さんは、美人ですね???
提灯の化け物は遊郭の使用人でしょう、自らの灯りで夜道を照らします。
【一つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(前回の答え)】
【一つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(正解は次回)】
ヒント
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