うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

江戸文学の楽しさを皆さんにお伝えできれば♪

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。

①『男色子鑑』4-1「縁は朽ちせぬ二世の契り」

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。

 

 

 今回から、山本八左衛門作『男色子鑑《なんしょくこかがみ》』(元禄六[一六九三]年刊)巻四の一「縁は朽ちせぬ二世の契り」を読むことにします。

 何でこの話を読むことにしたかは、最後に改めて言いますね。

『男色子鑑』タイトルで分かるように、井原西鶴『男色大鑑』便乗して出された作品です。

『男色子鑑』の作者九二軒鱗長《きゅうじけんりんちょう》間違って紹介されていることがよくありますが、九二軒鱗長は、『男色子鑑』改題改修増補本『和国小性形気《わこくこしょうかたぎ》』作者です。

f:id:KihiminHamame:20220313174407j:plainf:id:KihiminHamame:20220313174411j:plain
f:id:KihiminHamame:20220313174450j:plainf:id:KihiminHamame:20220313174455j:plain
f:id:KihiminHamame:20220313174522j:plainf:id:KihiminHamame:20220313174526j:plain
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
男色子鑑 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション

【原文】

『男色子鑑《なんしょくこかがみ》』巻之四
「縁《ゑん》は朽《く》ちせぬ二世の契り」
 付けタリ 生きながら食ふ灵供《れうぐ》の飯《いひ》
      弟子に貰ふて玄斎《げんさい》が仕合はせ

雪は白けれど、消《き》えては元の黒《くろ》き水。
藁《わら》に繋《つな》ひで童子《わらんべ》の翫《もてあそ》び、石より堅《かた》き厚氷《あつこほ》り。
西山も爰《こゝ》の芳野《よしの》と見なし、「此の寒《さむ》き北国はさこ所《そ》あらん、疝氣《セんき》持ちの親仁様ハ」と、何となく国本《くにもと》の懐かしく、楊枝《ヤうじ》咥《くは》へて面《おもて》に出《い》で、「白妙《しろたへ》の朝氣色《あさげしき》も替はつた詠《なが》め」と、雪 踏《ふ》み散《ち》らす黒犬を焦《あせ》らかし、餘念《よねん》無く居る所に、飛脚《ひきやく》と見えし男、「庄野《しやうの》佐左ヱ門様」と尋ぬる聲《こゑ》に驚き、様子を聞けバ、「御国本越後の村松より」と状箱を指《さ》し出《だ》すに、周章敷《あはたゞしき》為躰《てゐたらく》、心許無《こころもとな》く封《ふう》じ目切つて見バ、「親佐右ヱ門、十死一生《じつしいつしやう》の仕合はせ、早〻 下着《げちやく》」と有るを見て、「奥《おく》まで見ても詮無《せんな》し」と、急ぎそれより登城《とうじやう》して、右の段〻申し上げれば、「寒氣の時分、取り分き道も雪深く、さこそ難義に思はん」と御懇意《ごこんい》の御詞《おことバ》、身に餘《あま》りて忝《かたじけな》く、心能《こころよ》く出で立ちしが、

【現代語訳】

『男色子鑑《なんしょくこかがみ》』巻之四
「縁は切れず、生まれ変わっても結ばれる」
 補足 生きているのにお供えのご飯を食べる
    玄斎は巡りあわせで弟子に貰う

 白いけれど、溶けて消えると元の黒い水になります。

 石より堅い厚い氷は、藁《わら》に結んで童子の遊び道具になります。

 ここ京都の西山を、奈良の吉野山見立て風流がる男(庄野佐左衛門)がいます。

「この京都でさえこんなに寒いのに、北国に住む下腹部に病気を抱える親父様の身にこたえないか心配だ」と、何となく故郷の事を懐かしく思うのでした。

 楊枝《ようじ》をくわえてに出て、「雪で真っ白な朝の景色変わった眺めだなあ」と、雪を踏み散らかす黒犬をからかって、他事も考えずにいました。

 すると、飛脚と思われる男がやって来て、「庄野佐左衛門《しょうのさざえもん》様でございますか」と尋ねる声がして驚きました。

 何事かと聞けば、「お国本の越後の村松新潟県五泉市からでございます」と状箱を差し出しました。

 佐左衛門は慌てふためいて、焦って落ち着かないまま封じ目を切ると、「親の佐右衛門《さえもん》危篤《きとく》状態なので、すぐに帰って来るように」と書いてありました。

 それを見て、「最後まで読んでも仕方ない」と急いでに行き、お殿様に、父が危篤で国へ帰る事を申し上げると、お殿様は、「寒い季節、特に深く、それは大変であろう」と優しいお言葉をおかけになりました。

 佐左衛門は、身に余る思いでありがたく、気分良く出発することができました。

【解説】

 が積もる寒い時期京都とある大名に仕える庄野佐左衛門が、危篤のため、故郷越後帰る事になる所からが始まります。

 この時期の浮世草子では章題(ここでは「縁は朽ちせぬ二世の契り」)とともに、「付けタリ」として、内容の簡単な説明がされるのがデフォルトなのですで、想像を掻き立てられますが、この段階では何のこっちゃわかりませんねw

男色難色を示さずに読んでねヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 

 

◆北見花芽のほしい物リストです♪ 
まだまだバレンタインヾ(๑╹◡╹)ノ"

f:id:KihiminHamame:20171119223122j:plain 

いただいた商品のレビューはこちら♪   

◆インフォメーション

※北見花芽の中の人も少しだけ付録CDで担当しています。
※付録CDに『武太夫物語絵巻』(『稲生物怪録』)が収録されています。

北見花芽愛用のくずし字辞典です。

 

 

◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪

f:id:KihiminHamame:20171108164138j:plain

◆拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
はてなIDをお持ちでない方でも押せますし、コメントもできます)

web拍手 by FC2

◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪

にほんブログ村 歴史ブログ 江戸時代へ
にほんブログ村 


江戸時代ランキング

◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします♪ 
 多くの方に読んでいただきたいので、少しでも拡散してくださるとありがたいです。