「皿屋敷」は、家宝の十枚揃いの皿の一枚を割ったという濡れ衣で殺され、井戸に投げられたお菊さんが幽霊となり、毎晩、井戸の中から「いちま~い、にま~い、、、きゅうま~い、いちまい足りない~」と皿を数えて恨むというお話です。
「播州皿屋敷」と「番町皿屋敷」の2バージョンがメジャーです。
それでは、今回も北斎と芳年の浮世絵をどうぞ。
葛飾北斎「皿屋敷」『百物語』[天保1(1830)年頃]
※Wikipediaより
「さらやしき/百物語/前北斎笔[筆]/霍[鶴]喜板」
お菊さんの体が皿で表現されています。
月岡芳年「皿屋敷 お菊の霊」」『新形三十六怪撰』[明治31年(1898)年]
新形三十六怪撰 皿やしきお菊の霊 (新形三十六怪撰) - 国立国会図書館デジタルコレクション
「新形三十六怪撰
皿やしき/お菊の霊
芳年 芳年」
前回の四谷怪談と異なり、こちらは分かりやすく、井戸から現れたお菊さんの霊が描かれています。
これだけでは、ちょっと尺が足りないので、皿屋敷にまつわる「お菊虫」を『絵本百物語』から。
桃山人作・竹原春泉斎画「お菊虫」『絵本百物語』巻4[1841年(天保12年)]
※wikipediaより
絵だけではなく、文章もあるのですが、権利面の関係でここには貼れないので、興味のある方は、右のリンクからご覧ください。東洋文庫画像DB
【原文】
お菊虫
皿屋敷《さらやしき》の事は、犬《いぬ》打つ童《わらべ》だも知れゝバ、此処《こゝ》に言はず。
第三十《だいさんじう》於菊虫《おきくむし》
皿屋敷《さらやしき》のお菊《きく》虫ハ、お菊が怨念《おんねん》、虫《むし》と成りしと云《い》ひ傳《つた》ふ。
全て斯《か》ゝる怨《うら》みの事共ハ、其《そ》の所《ところ》に止《とゞ》まりて、年《とし》を古《ふ》るに随《した》ひ、草木鳥虫等《さうもくとりむしとう》に化《くハ》して、永《な》く怨《うら》ミを見する事多し。
赤間《あかま》が関《せき》の蟹《かに》ハ平家一門《へいけいちもん》の人《ひと》の怨霊《おんりやう》也とぞ。
化《くハ》すべき物《もの》も有りし也に、蟹《かに》と成《な》りたる事、笑《わら》ふべし。
婦女子《ふぢよし》とも有れ、物《もの》の部《ふ》たる者《もの》、死《し》して斯ゝる物《もの》と成る事、此《こ》の頃《ころ》、平家には愚人《ぐにん》のミ多《おほ》かりき。
【現代語訳】
お菊虫
皿屋敷のことは、犬を追いかけて遊ぶ子どもでも知っているので、ここでは説明しません。
第三十 お菊虫
皿屋敷に現れるお菊虫は、お菊の怨念が虫になったものと言い伝えられています。
皿屋敷のお菊のような恨み事は全て、その場所に留まって、年月が経つに従い、草木や鳥や虫などに変化《へんげ》して、長い間その恨みを見せることが多いのです。
赤間関《あかまがせき》[下関《しものせき》の旧名]に現れるカニ[平家蟹《へいけがに》。甲羅に人のような顔がある]は、平家一門の怨霊です。
ほかに化ける物もあるだろうに、よりによって蟹になるとは、笑っちゃいますね。
婦女子ならまだしも、武士たる者が死んでこのようなカニになるとは、この頃の平家には愚かな人が多かったのですね。
ありゃ、お菊虫のことはほとんど説明がなくて、なぜか平家蟹の事の方が多く書かれてますね。
次回は、もうちょっと、お菊虫について詳しく書かれた文献を紹介しますです。
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