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アメ尽くし ~『金草鞋』巻3「黒谷光明寺」その1~

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次はどの作品を取り上げるか、みなさまからのリクエスト一覧を眺めながらウンウン考えております。

とりあえず、繋ぎとして、こないだも取り上げました『金草鞋』「黒谷光明寺のページでも。 kihiminhamame.hatenablog.com

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『方言修行 金草鞋(むだしゅぎょう かねのわらじ)』三編(文化10[1813]年、喜多川月麿画)
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
金草鞋. 3編 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。

今日は右のページを読んでみる事にします。

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 【原文】

それより真如堂《しんによどう》に参りて、田舎道を辿《たど》り/\、黒谷《くろだに》ゝ到りける。
こゝハ紫雲山《しうんざん》光明寺《くハうめうじ》と言ふ。
境内を回り見るに、熊谷堂《くまがへどう》と言ふあり。
色黒き法師の居たりけれバ、

狂 日に焼けし 法師の顔の 黒谷は 熊谷堂《くまがへどう》を 守るなりけり


飴《あめ》売り
「なんじやいこの子ハ。
飴《あめ》を只《たゞ》呉《く》れいと言ふのか。
あめ過ぎた[舐(な)め過ぎた?]奴じや。

その様《やう》なあめたれた[甘えたれた]事を言ハずと、家《うち》へ往《い》んであめ[お姉(ねい)?]に銭を貰《もろ》うて来きさんせ。
あめ阿弥陀の光も銭次第じゃ。
イヤ、あめ[涙]を零《こぼ》して泣くかい。
さりとハ、あめ[悪い?]子でハあるぞ」

「とかく黒谷のあめ阿弥陀様は有り難い。
あめ陀仏阿弥陀仏
/\

「飴《あめ》を遣《や》りませうから、煙管《きせる》の皿なりと、南京《なんきん》の皿なりと、持つてきやんせ。
飴《あめ》と取つ替へこうにしてやろう」

「此方《こち》の家《うち》にもトツカへコウが居るわいの。
鶏《にハとり》が」

【さっくり現代語訳】

鼻毛延高《はなげののびたか》千久羅坊《ちくらぼう》は、それから真如堂《しんにょどう》[真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)]にお参りして、田舎道をたどって黒谷《くろだに》にやって来ました。
ここは正式名称を紫雲山《しうんざん》光明寺(こうみょうじ》と言います。
境内を巡っていると、熊谷堂《くまがいどう》[蓮池院(れんちいん)]という建物がありました。
色の黒い僧がいたので、次のような狂歌を詠みました。

「日に焼けて顔のい僧が、熊谷堂を管理しています。」

飴《あめ》売り
「なんじゃこの子は?
タダでアメをくれと言いよる。
舐めた[?]事を言うヤツじゃなあ。
そんな甘ったれた事を言わずに、家に言って姉さん[?]に銭を貰って来い!
阿弥陀でも銭がなければ何もしてくれないぞ!
おやまあ、涙を流して泣くのかい。
なんて悪賢い[?]だ。」

子供
「とにかくは、黒谷の阿弥陀のようにありがたい物じゃ。
南無阿弥陀仏、南無飴陀仏。

飴売り
が欲しかったら、煙管《きせる》の皿とか南京の皿とか金目の物を持ってきなさい。
取っ替えっこしてやる。」

子供
僕の家にも「トッカエッコー」って鳴くニワトリがいるよ。」

【解説】

このページでは、主人公の鼻毛延高と千久羅坊は描かれていません。
飴売り子供が描かれています。
実際、黒谷の辺りに飴売りがいたのでしょうかね。
飴売り棒状の飴カメに入った水飴を売っているようです。
左のページにかかっていますが、子供を連れています。

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このころからペットとして飼われていたのですね♪

熊谷堂熊谷直実《くまがいなおざね》出家した場所だそうですが、熊谷直実といえば平敦盛《たいらのあつもり》との男色チックなエピソードが有名ですよね。

ひたすら「アメ」という言葉が文中に組み込まれており、「アメ尽くし」とでも言えば良いでしょうか。
強引にアメを忍ばせようとして、ちょっとよくわかんない所もあります。。。
いつもは【原文】はすっ飛ばしても大丈夫です」と言うのですが、【さっくり現代語訳】ではこの「アメ尽くし」がちゃんと伝わらないので、できれば今日は【原文】も見ていただければなと。
で、左ページは「シリ尽くし」なのですが、次回に続くのです。 

     

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