※下に現代語訳と解説がありますヾ(๑╹◡╹)ノ"
莫切自根金生木 : 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
唐来参和『莫切自根金生木』[天明5(1785)年刊]
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
【原文】
①本文
博奕《ばくち》を打つと身が持てぬと言ふ事を聞いて、「これ究竟《くつきやう》」と大勢 鉄火《てつくわ》打ちを集め、四割八分を七割くらいニして、胴を取り払い[取り計らい?]掛けけれども、因果と張りが片つつり[片吊り?]ニなつて、空目《あきめ》へ/\と出でけれバ、強《したゝ》か胴へ引ゐて、存じの外 儲《もう》ける。
②萬々
「ちつと請《う》けつ事言つて、誰ぞ手を出さつせへ。気の利かねへ」
③鉄火打ちA
「台《だい》[大?]が一《ぴん》で、引つ切りが、ソレ、六だ。良しか」
④鉄火打ちB
「この博奕《ばくち》は一から六まで張れバ損ハ無《ね》へが、そふ言ふ張りハ皆《ミんな》嫌いだ」
⑤鉄火打ちC
「この様《やう》な忌々《いめへま》しい夜盗博奕《よとうばくち》ハ無《ね》へ。一番も請《う》け無《ね》へ」
⑥萬々の妻
「旦那ハどうだ、良さそうか。それでハまた御機嫌が悪かろう」
【現代語訳】
①本文
萬々は、バクチを打つと身が滅ぶという事を聞いて、「これは好都合」と思い、たくさん鉄火《てっか》打ち[ばくち打ち]を集めて、配当金は普通は賭《か》け金の四割八分ですが、七割ぐらいまで上げて、萬々が胴元[親]となって鉄火場[賭場]を開きました。
しかし、萬々にとっては不運なことに、みんなの賭け方がバラけずに偏《かたよ》ってしまい、誰も賭けていない方ばかりに当たりが出たので、胴元の萬々が賭け金を取ってばかりで、配当金を払わずに済み、思いの外、儲《もう》けてしまいました。
②萬々
「せっかく誰も賭けてない目があるのだから、「俺がそっちの目に賭けてやろう」とか言って、誰か手を出しなされ。まったく気が利かねえなあ」
③鉄火打ち(ばくち打ち)A
「本命は一に賭けて、保険として、それ、六にも賭けておこう! どうだこれでよさそうか!」
④鉄火打ちB
「このバクチは一から六まで全部賭ければ損はしないんだが、そういう賭け方はみんな嫌いなんだよな」
⑤鉄火打ちC
「こんな腹が立つ、夜盗[夜に入る泥棒]みたいに金を全部持っていくバクチはねえぞ!
一回も勝てねえ。。。」
⑥萬々の妻
「旦那の調子はどうだい? 良さそうかい?
あらあ、儲けてるのかい?
それではまたご機嫌が悪いでしょうなあ」
【解説】
おそらく、一から六までの数字が書かれた札かサイコロを使い、胴元[親]がどの目[数字]を引いたか当てる、手本引《てほんびき》と呼ばれる系統のバクチだと思われます。
どうやら、胴元の萬々が独り勝ちして大儲けしてしまい、またお金が増えてしまったようですヾ(๑╹◡╹)ノ"
次回も萬々はあきらめずに、次の一手を打つのですが、はてさて、続くのですヾ(๑╹◡╹)ノ"
今日も僕がどこかにいるから探してね~ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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