(勝手に動き出す、すり鉢とすりこ木)
新日本古典籍総合データベース
※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0)
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【原文】
明くる十一日の夜は、一族の者、咄《はなし》に来たりけるが、一人の刀の鞘《さや》を化け物に隠され、皆〻尋ねし處に、更に見へず。
平太郎、やがて其の事を高く云ひて怒りけれバ、鞘、天井より落ちにける。
「実に化け物も平太郎にハ恐るゝなるべし」と申しける。
扨、鞘を得て後ハ、何《いず》れも喜び帰りしに、跡にて臺所の方に擂鉢《すりばち》、擂粉木《すりこぎ》、我と我が出でゝ、擂り廻り/\、間の内を廻りけるとぞ。
是は又、珎《めず》ら敷《しく》、可笑《おか》しき事にこそ。
【現代語訳】
翌、七月十一日は、親戚の人たちが話しにやって来たのですが、一人の刀の鞘《さや》を化け物に隠され、みんなで探したのですが、全く見つかりません。
平太郎が、すぐさま声を高く張り上げて怒ったところ、鞘は天井から落ちてきました。
「いかにも、化け物も平太郎には恐れをなしたんだろう」と親戚の人たちは言いました。
さて、鞘を取り戻したあとは、親戚の人たちはみんな喜んで帰ったのですが、そのあと、台所の方から、すり鉢とすりこ木が、自分勝手に出て来て、すり潰す動作をしながら、部屋の中をグルグル回ったということです。
これまたヘンテコで面白い事です。
【解説】
来客がいつも怖がって帰ってしまうので、ついに平太郎はキレたようですヾ(๑╹◡╹)ノ"
怒られたままではいられないので、妖怪もすり鉢とすりこ木を暴れさせたのでしょうが、何ともカワイイことwヾ(๑╹◡╹)ノ"
妖怪が平太郎にゴマをするってことだったりしてwww
僕はすり鉢とすりこ木で、蚊の目玉をすり潰して食べるよヾ(๑╹◡╹)ノ"
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