(天井が大きなハチの巣に変わる)
新日本古典籍総合データベース
※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0)
※画像は拡大できます。
【原文】
廿三日にハ、隣の権八所、厳《きび》しく鳴り響きしが、権八は外へ出し故、平太郎ハ至りて漸《やうや》く戸口を開きて見しが、椀器《わんき》又ハ書物など、間の内に取り散らし、人の騒ぎし跡の如く有りしとなん。
然れバ、権八も帰りしに、葦簀《よしず》の天井、低《ひき》く下がりしに、刀にて試しけるが、何事も無し。
次㐧/\に元の如く戻りぬ。
夜に入りて、平太郎が宅の天井、大い成るハチの巣と變じ、蟹の如く泡を吹き出し、黄成る水を吐き出しける。
誠に珎《めづ》らしき大い成る巣を見しとぞ。
【現代語訳】
七月二十三日は、隣の権八の所で、激しく音が鳴り響きました。
しかし、権八は外出していたので、平太郎が行って、なんとか入り口を開けて見てみると、食器や本などが、部屋の中に取っ散らかって、人が騒いだあとのようになっていました。
それから、権八も帰って来て、家に入ると、葦簀《よしず》の天井が低く下がっていたので、何者かがいるのではと思い、刀でつついて確かめてみましたが、何の手ごたえもありません。
そのうち、徐々に元の天井に戻りました。
夜になると、平太郎の家の天井が、大きなハチの巣に変わって、カニのような泡を吹き出し、黄色い水を吐き出しました。
本当に珍しい、大きなハチの巣を見たという事です。
【解説】
平太郎の家は飽きたのか、妖怪は権八の家で騒いだようです。
結局、見に行ったのは平太郎ですが(笑)
帰ってきた権八にも、もうちょっと気の利いた怪異を見せて欲しかったです。
だって、天井が下がるだけでは、このお話ではもう怪異のうちに入りませんものヾ(๑╹◡╹)ノ"
まあ、なんだかんだで、妖怪は夜はちゃんと平太郎の家で悪さをしますヾ(๑╹◡╹)ノ"
天井が大きなハチの巣に変わって、泡やら水を出したというのに、平太郎の反応は「珍しい大きなハチの巣を見た」としか書かれていないんですけど???
平太郎は見ただけで何もせずに、やっぱスルーしたんでしょうね。。。
みつめハッチだよ~ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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