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[3]江戸時代に読まれた一寸法師 ~一寸法師、お椀の舟で都へ~

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御伽草子. 第19冊 (一寸法師) - 国立国会図書館デジタルコレクション

※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。

【原文】

 夫婦、思ひける様《やう》ハ、
「あの一寸法師めを、何方《いづかた》へも遣《や》らバやと思ひける」
 と申せバ、やがて一寸法師、此由《このよし》承《うけたまは》り、
「親にも斯様《かやう》に思ハるゝも、口惜しき次第かな。
 何方へも行《ゆ》かバや」
 と思ひ、
「刀無くてハ如何《いかゞ》」
 と思ひ、針を一ッ姥に乞い給へバ、取り出し給《た》びにける。
 即《すなハ》ち麦藁《むぎハら》にて柄《つか》鞘《さや》を拵《こしら》へ、
「都《ミヤこ》へ上らばや」
 と思ひしが、
「自然、舟無くてハ如何あるべき」
 とて、又姥に、
「御器《ごき》と箸《はし》を給べ」
 と申し受け、名残惜しく止むれども、立ち出《い》でにけり。
 住吉の浦より、御器を舟として打ち乗りて、都へぞ上りける。
「住み慣れし 難波《なには》の浦を 立ち出でてゝ 都へ急ぐ 我が心かな」

【現代語訳】

 おじいさんおばあさん夫婦は、
「あの一寸法師のガキを、どっかにやってしまいたい思とります」
 と思って、話しました。
 やがて両親の嘆き一寸法師に入り、
にすら、こんな風に思われとるなんて、泣きとうなるわ。
 もう、どこにでも行きまひょ」
 と思いましたが、
がないのはアカンわ」
 と思いを一つおばあさん求めました。
 おばあさんを取り出して与え一寸法師はすぐに麦藁《むぎわら》柄《つか》《さや》を作り
へ上りまっせ」
 と思いました。
 しかし、
「そや、があらへんかったら、どこにも行けまへんがな」
 と、またおばあさんに、
お椀もくれまへんか」
 とお願いしました。
 両親は、
「ああは言ったもんやが、いざとなったら寂しいもんやなあ」
 と止めましたが、一寸法師出て行きました。
 そして、一寸法師は、住吉の浦から、お椀にして乗り込み上りました。

「住み慣れた難波《なにわ》の浦からサイナラして、ワイの心はもう早く行きたくて仕方ないんやで」

【解説】

 住吉の浦にもよく詠まれる名所ですね。
 一寸法師の読んだ歌では「難波の浦」となっていますが、ここでの「難波」大坂全体を指す呼称でしょう。
 一寸法師住吉の浦から、淀川を上って、京都に行くルートを取ったみたいです。

 一寸法師の事をボロクソに言いながらも、本心ではなく軽い冗談だったのか、いざとなると止めようとするおじいさんおばあさん
 複雑な親心というかなんというか。

 

 うつろ舟正体分かったぞ! 

食器女性お姫様箱の中には一寸法師だね!

Utsuro-Bune-Manjudō-Drifted-Ashore-on Fief-of-Lord-Ogasawara.png
wikipediaより

 

 

 

 

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