それでは、挿絵に何が描かれているか解説します♪
※国会図書館の画像を利用しています。
国立国会図書館デジタルコレクション - 好色一代女. 巻4
19ページ目です。
まず、右ページには、奉公先に向かって歩く姥[左]と一代女[右]が描かれています。
姥は綿帽子を被っています。年配の女性が綿帽子を被って描かれることが多いです。
左ページは奉公先の家で、本文中に「下男は台唐臼」とあるように、台唐臼を踏む下男[下働きの男]が描かれています。
それにしても、この挿絵、何か違和感を感じませんか?
そう、何か殺風景なんですよ。
他の章の挿絵に比べて、背景があまり書き込まれてなく、描かれている人物の数も少ないんですよねえ。
ここで少し話がそれますがが、この時代の作品で、「男色」と言えば「男同士の色恋」、「女色」と言えば「男女の色恋」を意味します。
あれ?「男同士の色恋」が「男色」なら、「女同士の色恋」は「女色」じゃね?
とお思いになられる方もいらっしゃるでしょう。
そう、「男色」も「女色」も男性目線の言葉なのです。
男が男と恋愛するのが男色で、男が女と恋愛するのが女色なのです。
女性目線なら、女が男と恋愛するのが男色で、女が女と恋愛するのが女色になるはずです。
が、そういう意味では使われません。
この時代の作家さんはほぼ全て男性なので、どうしても用語も男性目線からになってしまったのでしょうね。
ちなみに、『好色訓蒙図彙』では女性の同性愛は「合婬[ともぐい]」という名で紹介されていますが、この言葉が一般的にも使われていたかは不明です。
女性の同性愛は、男にとっては絶対に体験できない未知の世界です。
この挿絵を描いた絵師さんも当然男なので、女性の同性愛の話の挿絵に何を書いたらよいかよくわかんないので、こんな殺風景な絵になってしまったのではないかと(笑)
ちなみに、西鶴作品の全挿絵の解説が下記の本の付録のCD-ROMに収録されていますので、ご興味のある方はぜひ♪
って、あらあ、新品はもうないみたいですね。。。
図書館等には置いてあると思いますが。。。
『好色一代女』の挿絵は担当してませんが、私も他の作品でちょっと関わってたりするので宣伝しようと思ったのに(笑)
次回にリンクをまとめて、このシリーズは終わりにしたいと思います♪
ふう、最後の最後で絵が出てきたけど、このシリーズは文字ばっかりで読むのに疲れちゃったよ!
いや、いや、書いた私の方が疲れてるってば。。。
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