うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

江戸文学の楽しさを皆さんにお伝えできれば♪

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。

『金玉ねじぶくさ』←「キン〇マ」って読んだ人、手を上げて~っ!ヾ(๑╹◡╹)ノ"

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。

 

f:id:KihiminHamame:20201209011403j:plain

『曽呂里物語』巻四の四「万の物年を経ては必ず化くる事」には、三本足の蛙がでてきましたが、この話ではザコキャラであっさりとやっつけられてしまいました。
kihiminhamame.hatenablog.comkihiminhamame.hatenablog.com

なんだか、これでは三本足の蛙かわいそうなので、三本足の蛙活躍する話を取り上げたいと思います。

今回紹介するのは、『金玉ねじぶくさ』七の二「蛙も蛇を取る事」です。

え?キン〇マ??? キン〇マ袋ねじれたの??? ヾ(๑╹◡╹)ノ"

んもう、こういう人がいるから困るのよねえ。何でこういうタイトルなのか序文に書いてあるから、本文を読む前にまず序文を見て行きましょう。

f:id:KihiminHamame:20201209011727j:plainf:id:KihiminHamame:20201209011737j:plain

f:id:KihiminHamame:20201209011811j:plainf:id:KihiminHamame:20201209011819j:plain
霞亭文庫書誌詳細
※この記事では霞亭文庫の画像を適宜改変して使用しています。

【原文】

「金玉《きんぎょく》捻《ね》ぢ袱紗《ぶくさ》序」
儒佛《じゆぶつ》教へ異なれ共《ども》、理《り》は一ッ也。
孔子ハ現《げん》を説き、尺迦《しやか》ハ未来《みらい》を述べ、それ/゛\の機《き》に順《したが》つて、切磋琢磨《せつさたくま》の道《ミち》を立《た》つる。
然《しか》れども、其の規模《きぼ》とする所は、皆人《ミなひと》、仁《じん》に義《ぎ》に忠《ちう》に孝《かう》ならん事を思ふのミ。
是《こゝ》に於《お》いて、余《よ》も又、怪《くわい》を言ふ事を恐れず、理《り》となく方便《はうべん》となく交《まじ》へ、記《しる》しぬ。
是《これ》を「金玉捻じ袱紗」と題する事、金玉は人の愛す所、捻じ袱紗の如《ごと》く常に之《これ》を懐《ふところ》にせバ、初学の為に便《びん》あらんかと尓《しか》云《い》ふ。
何ぞ博厚《はくごう》の人の前に謗《そし》りを得る事を憂《うれ》へんや
元禄十七 甲申歳《きのえさるどし》 初陽《しよよう》吉辰《きつしん》 章花堂《しようくわだう》

【現代語訳】

「金玉《きんぎょく》ねじぶくさ 序」

儒教仏教教えは違ったものですが、その真理一つです。

孔子現在を説き、釈迦未来を述べており、それぞれの教えに従って、信者修行を重ねています。

しかしながら、その根本となるものは、全ての人が、仁義忠孝《じんぎちゅうこう》[思いやり・正義・主君への忠誠・親孝行]を尽くそうと思う事、ただ一つです。

そういうわけで、儒教仏教教え区別することなく交えながら、ガンガン怪談話をすることにします。

この作品タイトル「金玉ねじぶくさ」としたのは、金玉[お宝]のように誰からもされ、ねじぶくさ[袱紗《ふくさ》をねじって袋状にしたもの]のように常に携帯して、学問を学び始める手助けになって欲しいという思いからです。

たとえ、知識人の目の前で非難されても、どうってことありません。

元禄十七[一七〇四]年 甲申《きのえさる》年 正月吉日 章花堂《しょうかどう》

【解説】

なんだか堅苦しい文体ですね。

作者章花堂詳細不明な人物なのですが、学者系の人なのかもしれませんね。

序文の内容をものすごく簡単まとめると、

儒教仏教教え違うように見えて、その真理同じもの。

だから、儒教仏教区別なく取り入れて、怪談話を書くよ。

このが、金玉のようにされて、ねじぶくさのように常に携帯されますように、という思いを「金玉ねじぶくさ」というタイトルに込めましたの。

ってことです。

「金玉」「お宝」のことで、

え?「お宝」

ったく、いちいち反応するな、「宝物」のことだ。

そして、読み「キン〇マ」じゃなくて「キンギョク」な!

「ねじぶくさ」「袱紗《ふくさ》」は今でもご祝儀などを包むとして使われていますね。

「捻《ね》じ袱紗《ぶくさ》」は、その袱紗を捻じって袋状にして携帯用の物入れにしたものです。

表紙には『金銀ねじぶくさ』というタイトルが書かれているので、こっちを採用すれば勘違いは防げるはずなのですが、この作品に書かれている『金玉ねじぶくさ』というタイトルが今では採用されています。

たぶん、みんな「金玉」って字面が好きなんでしょうね(笑)

って、三つ目勘違いのせいで、今回は序文の紹介で終わってしまいました!

次回から『金玉ねじぶくさ』七の二「蛙も蛇を取る事」本文を読んで行きたいと思いますヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 

◆インフォメーション

「を知る通信」さんに、「あなたの家の中にいるかもしれない衝撃の妖怪五選」という記事を寄稿しましたので、ぜひご覧ください!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
はてなブックマークでのコメントもぜひ!ヾ(๑╹◡╹)ノ"

news.woshiru.com

◆北見花芽のほしい物リストです♪ ご支援よろしくお願いします♪

f:id:KihiminHamame:20171119223122j:plain 

いただいた商品のレビューはこちら♪   

◆インフォメーション 

井原西鶴の大著、『男色大鑑』一般向け現代語訳「歌舞伎若衆編」発売中です♪

北見花芽の中の人もちょっと書いてるので興味のある方も無い方も、下のアマゾンリンクから買ってくださると狂喜乱舞します♪
※ 書店で買っても、北見花芽の中の人には直接お金が入らないので何卒。

全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉

全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉

  • 作者: 染谷智幸,畑中千晶,河合眞澄,佐藤智子,杉本紀子,濵口順一,浜田泰彦,早川由美,松村美奈,あんどうれい,大竹直子,九州男児,こふで,紗久楽さわ
  • 出版社/メーカー: 文学通信
  • 発売日: 2019/10/21
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

「武士編」好評発売中です♪
全訳 男色大鑑〈武士編〉

『男色を描く』合わせてお読みいただけるとより楽しめると思いますよ♪
※ こちらも北見花芽の中の人がちょっと書いていますので。 
男色を描く: 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉

◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪

f:id:KihiminHamame:20171108164138j:plain

◆拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
はてなIDをお持ちでない方でも押せますし、コメントもできます)

web拍手 by FC2

◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪

にほんブログ村 歴史ブログ 江戸時代へ
にほんブログ村 


江戸時代ランキング

◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします♪ バズりたいです!w