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湯島天神② ~『金草鞋』初編中巻~

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 はい、『金草鞋』湯島天神続きですヾ(๑╹◡╹)ノ"

【左右ページ全体】

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【左ページ詳細】

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※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
金草鞋. 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション
諸国道中金の草鞋. 1 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像は拡大できます。
※落書きが酷かったので、可能な限り修正しています。

【原文】

千久羅
「見なさろ/\、向かふから出来たァ、御御《おごう》か童《わらし》か御洒落《おしやらく》さあでもなかんべい。
 女だァか、男だァか、分から無い者《もん》が、出来たァ。
 何《あん》だんべい、儂《わし》、聞いて見るべいか。
 モイ/\、ちくと物さあ問ひますべい。
 童《わらし》ハ、男だァか、女だァか、何《あん》で御座りヤす。
 何《あに》、陰間《かげま》だァ。
 陰間たァ、何《あん》の事《こん》だんべい。
 放題《ほうだい》の無い事《こん》だァ。

狂「男だァか 女だァかも わからない こりやァ 湯島の変人《へんじん》「天神《てんじん》」と掛けた]だんべい」

「あの人たちハ、田舎者だそふだが、狐《けつね》にでも化かされた様《やう》にけつけれんな顔をしてけつかる」
[陰間は尻を使う商売なので「けつ」ダジャレ]

【現代語訳】

千久羅坊
「見なされ、見なされ、向こうからやって来たのは、でも童子でも女郎でもなさそうだ。
 女だか男だか分かんない者がやってきた。
 何だろうか、ワシ、ちょっくら聞いてみるとするべ。
 もしも、ちょっとお尋ねします。
 この子は、なのか、なのか、でございます?
 何? 陰間《かげま》だ???
 陰間って何のことだべ???
 ワシらにはよく分からんことだ」

狂歌
だか、だか分からない。こりゃあ、湯島の天神《てんじん》じゃなくて、湯島の変人《へんじん》だべ」

金剛[陰間の付き人]
あの人たち田舎者だそうが、お前さんを見てキツネにでも化かされたように、きょとんとした顔をしてやがる」

【解説】

 金剛[陰間の付き人]が持っているのは、絵馬ですかね。
 おそらく、湯島天神絵馬を奉納しに行く所なのでしょう。

 陰間《かげま》とは、舞台に上がるのをとせず、色を売るのを専門にしていた役者の事です。
 湯島天神は、陰間と遊ぶことが出来る陰間茶屋がある地域有名でした。
 江戸時代が下るにつれて陰間茶屋減って行ったのですが、湯島明治まで陰間茶屋が残っていた最後の地域でした。

 水虎散人《かっぱさんじん》作『江戸男色細見 菊の園』[明和元年刊]には、湯島の陰間茶屋の料金店ごとの陰間の名前が記されています。

新日本古典籍総合データベース
東京大学総合図書館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています

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※ヘ印は宮芝居に出る役者
※下印は京大坂などから下ってきた役者

※店の名前の下は店の主人の名

 合計四十一名と書かれていますが、数えると四十二名書かれています(笑)

 値段が記されている箇所だけ原文を記します。

湯島天神前子供名寄 [子供=陰間]

値段、昼四切、夜四切
[1切り=約3時間(12時間[昼か夜半日]を4切り[4等分]と計算しました)]


但シ大小といふ事あり、小ハ一切壱歩、大ハ二切にて壱歩弐朱なり
[小1=1歩=1切=約3時間]
[大1=3歩(1切りあたり1歩2朱と計算しました)=2切り=約6時間]

〇 夜ハ四時より明まで大壱ツなり
[夜は四つ時から明けまでの間は大1の料金、他の時間は小1の料金]

〇 仕舞《しまひ》壱両弐分、片仕舞《かたじまひ》三歩 [分=歩]
[一日買い切る場合は1両2歩、昼か夜半日買い切る場合は3歩]

〇 他所行ハ仕舞小八金弐両、片仕舞小四にて壱両なり、外ニ小花壱歩付
[外に一日連れ出す場合は2両(小8)、半日の場合は1両(小4)、プラスちょっとしたチップが1歩必要][1両=4歩=16朱]

 要するに、1両10万円で計算しますと、基本料金約3時間2万5千円
 夜の四つ時から明け方までは、約6時間7万5千円
 1日買い切る場合10万5千円昼か夜の半日買い切る場合7万5千円
 1日外に連れ出す場合22万5千円半日の場合12万5千円

 まあ、延高と千久羅にはちょっと手が出ない価格かもですねヾ(๑╹◡╹)ノ"

 ちなみに、『江戸男色細見 菊の園』を書いた水虎散人《かっぱさんじん》平賀源内別名ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 僕陰間になれるかなヾ(๑╹◡╹)ノ"

 お前カゲマじゃなくてハゲ魔だろヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 

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