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伊勢神宮の奇鳥

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たまたまYouTubeを見ていたら、三重テレビの番組で予言獣が紹介されていましたので、便乗して記事にしようと思いますヾ(๑╹◡╹)ノ"

【過去の予言獣記事】kihiminhamame.hatenablog.comkihiminhamame.hatenablog.comkihiminhamame.hatenablog.com

番組で紹介された伊勢神宮に現れた鳥は、小寺玉晁『名府太平鑑《めいふたいへいかがみ》』という随筆の天保三[一八三二]年の項に書かれています。

オリジナルの画像を載せることはできないので、模写と活字だけですいません。

オリジナルは名古屋市図書館のホームページでご覧ください。当該箇所は91ページ92ページです。
詳細 :なごやコレクション

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※模写

【原文】

〇此の頃、世上に言ひ触らして云ふ、東南之方に大き成る光星《くわうぼし》顕《あらは》れ、是は至りて悪星《あくせい》にして、見る者ハ死する、と評判して、則《すなは》ち此の圖を張り置けば、仮令《たとえ》其の星を見たりとも、災《わざは》ひを逃《のが》ると言う。
 其の伝に言ふ、今年四月 朔日《ついたち》、酉《とり》之刻頃、伊勢大神宮之 棟《むね》に来たりて、其の聲「リンリン」と鳴く。形は鶏《にはとり》の如く、其の夜、神主の夢に此の鳥来たり告げて云ふ、「今年九月十二日の夜より東南に當たりて悪星出る。此の星を見る者は忽《たちま》ち震《ふる》い死するとなり。此の災ひを免《まぬが》れたく思ハゞ、我が姿を写し、張り置きて、毎月十二日に酒を供《そな》へよ。我は大神宮の使ひなり」と言ひて飛び去ると見て、夢覚めぬ。神主竒異の思ひ做《な》し、人々に告ぐるに、果たして餘之 社人《しゃにん》も此の夢を見たり。夫《そ》れより何《いづ》れも身を清め、大神宮の再拝して仰《あお》ぎ見るに、未《いま》だ竒鳥去らず。因《よ》って是を写すと、其の儘《まま》鳥は飛び去ると云ふ。

【現代語訳】

 最近、世間では、「東南の方角大きな彗星が現れるが、これはとても不吉な星で、見た者は死ぬ」とになっている。
 だが、ここに示したを貼っておけば、たとえこのを見たとしても、災難を逃れることができるという。

 その詳細は次の通りである。

 今年の四月一日酉の刻[十八時頃]の頃伊勢大神の社殿の屋根に不思議な鳥がやってきて、「リンリン」というで鳴き、その姿ニワトリのようであった。
 その日の伊勢大神宮の神主の夢にこのが出て来て、
今年の九月十二日の夜から、東南の方角不吉な星が出る。このを見た者はすぐに震えて死ぬだろう。この災難を逃れたければ、私の姿を描いて貼り、毎月十二日を供えよ。伊勢大神宮の使いである」
 と言って飛び去ったのを見た所で、が覚めた。
 神主は不思議に思って、他の神主たちに言うと、他の神主たち同じ夢を見たという。
 それから神主たちはいずれも身を清め、二度繰り返して礼拝《らいはい》して上を見ると、まだこの不思議な鳥は居たままであった。
 そこで、この鳥の姿を描くと、そのままは飛び去ったという。

【解説】

はい、他の予言獣と大して内容は変わりません。
違うのは、疫病じゃなくて悪星というところですかね。
鳥の姿の予言獣としては、最近「ヨゲンノトリ」が話題になっています。
疫病退散! ヨゲンノトリコーナー: 山梨県立博物館 -Yamanashi Prefectural Museum-

伊勢神宮の鳥の方がゴルゴっぽい顔で人気が出そうなものですが、やっぱ、アマビエインパクにはかないませんねヾ(๑╹◡╹)ノ"

三つ目コーナー

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